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DX Policy & Strategy

Policy

企業を取り巻く社会環境は、大きく変化しています。特に昨今の新型コロナウィルス感染症の流行や気候変動などにより、私たちの暮らし、そして生き方そのものが大きな変革期を迎えています。このような変化に敏感であること、それがこれからの企業に求められる大きな資質であることは、疑いのないところでしょう。

そしてまた、人々の生き方の変化に大きな影響を及ぼしている事象が存在します。それはデジタル技術の進歩です。数年前には夢の世界であった出来事が、様々なデジタル技術により、現実のものとなっています。企業にとって、デジタル技術への対応の遅れは、数年間築き上げてきた企業価値を、一瞬にして消失させるリスクを伴うと言っても、過言ではないでしょう。一方で、デジタル技術の変化に順応し、一歩先を捉えることで、企業価値を飛躍的に向上させることも、また可能と言えるでしょう。

このような社会的背景を念頭に、当社では、DX戦略の基本方針として次の3点を定め、戦略を構築しております。

1.デジタルを用いた新しいウエディングの創出
2.デジタルを用いたウエディングビジネスの生産性向上と働き方改革の実現
3.デジタルを用いた社会的責任の遂行と企業価値の向上

Strategy

当社は、自社開発の顧客管理及び業務支援システム“アニクリ”を導入し、従業員および顧客(新郎新婦ならびにゲスト)がそれぞれ結婚式に関わる全ての情報を入力することで、案件・顧客情報の一元管理をしております。

<“アニクリ”に蓄積されたデータ(一例)>
案件情報、顧客情報、見積・請求情報、受発注管理情報、接客履歴、ゲスト情報

多数のセクションが関わる結婚式において、効率的かつ正確な情報共有および多角的なニーズに資する情報の一元管理は欠かせない要素であり、“アニクリ”の導入により、ウエディングビジネスの生産性向上ならびにカスタマーの利便性向上を実現して参りました。
当社は、“アニクリ”に蓄積されたデータの活用を中心に、当社の基本方針に基づき、以下の通りDX戦略を進めて参ります。

1.デジタルを用いた新しいウエディングの創出

当社は、当社がミッションに掲げる“CHANGE Bridal”の価値を実現するため、積極的にデジタル技術を活用しております。

まず、顧客データ等の情報を一元管理できるシステム“アニクリ”を開発し、そこに蓄積された情報を社内の複数の部署がそれぞれの視点で販売価格・取扱商品・各種キャンペーンの効果等を分析することで、スピーディーに顧客ニーズを把握し、新たなサービスの提供を進めて参りました。具体的には、自社開発の結婚式専用Live配信サービス“アニクリLive”、ご祝儀の受け渡しにデジタル技術を用いた“アニクリWEBご祝儀”、これらに新郎新婦のみならずゲストユーザーの登録を可能とする“アニクリWEB出欠返信”機能を追加し“リアル×オンライン”がつながる新しい結婚式のかたちにコーディネートした総合的サービス“Dimensional - link - Wedding”を提供して参りました。これらの取組により、新郎新婦および従業員の作業時間短縮を実現し、かつ誤情報の入力を防止するに至りました。

更には、会場見学(360度バーチャル見学)から結婚式当日までオンラインで完結できるサービス、そしてXR技術で遠方会場の疑似内覧体験を可能にしたサービス“ふる婚”のリリースなど、これまでの文化を継承しつつ、デジタル技術を取り入れた新しいウエディング 、“ウエディング・テック(Wedding ×Technology)” を提唱し、結婚式があふれる世の中を創出いたします。

2.デジタルを用いたウエディングビジネスの生産性向上と働き方改革の実現

当社は、早期より“アニクリ”を導入し、ウエディングビジネスの生産性の向上を図って参りました。具体的には以下の通りです。

  1. 情報一元管理によるセクション間の情報共有の効率化と正確性を実現
  2. 一部情報をパートナー企業とも共有し、受発注業務を“アニクリ”内で完結することが可能となり、コスト分析の精度向上を実現
  3. 多数のタスク(ゲスト管理、席次表の作成等)が“アニクリ”内で可能なため、新郎新婦の作業時間やプランナーの打合せ時間の短縮を実現

今後は、蓄積したデータやノウハウを効果的に利用し、更にこれを進化させることで、カスタマーの利便性向上を図ると共に、従業員の業務を効率化することで、ウエディングビジネスの生産性向上を目指して参ります。

また、近年では発注及び仕入業務を“アニクリ”へ一本化することでの更なる生産性の向上とコスト分析の精度向上や、ウエディング専門コールセンターにおいてクラウドPBXや番号自動認証システム、MAツールの導入により在宅環境での就業を実現しております。

加えて、チャットボットによる社内外の問合せ対応自動化、BIによる各種分析の効率化、EDIツール等による管理業務の自動化等、デジタル技術による従業員の働き方改革を推進して参ります。

3.デジタルを用いた社会的責任の履行と企業価値の向上

当社は、持続可能な開発目標(SDGs)に寄与し社会の発展に貢献することが、企業に課された社会的責任であると強く認識しております。そして、デジタル技術の積極的導入が、これらに資するものと考えております。

環境面でいうと、契約書類や帳票類、接客ツールのクラウド化、インターネットFAX等により紙の書類を廃止し、情報を一元管理することにより、オンラインでの資料共有や同時視聴による業務の効率化を図ることで、紙による資料作成工数等を削減し、ペーパーレス化を推進しております。

また、社内教育・研修のオンデマンド化や、勤務時間や勤務場所に捉われずウエディングの打合せが可能なフル・オンライン・パッケージのリリース等、多様な働き方を実現するため積極的にデジタル技術を導入し続けております。これらは、私たちの意識と行動に変革をもたらしました。例えば、従前は困難と思われていた在宅勤務も積極的に取り入れることを可能とし、オフィス面積の削減によるコスト抑制に繋げることが可能となりました。

これからもデジタル技術の進歩を注視し、社内で議論を深め、合理的なデジタル技術の導入を続けて参ります。

また、今まで記載して参りましたDX戦略を確実に実現することで、企業価値の向上を図って参ります。

各フェーズにおけるテーマとその成果(期待される成果)

フェーズ 内容 成果/これから期待される成果

第1期(~2020年)

  • 業務プロセスのシステム化
  • “新しい結婚式のかたち”構想着手
  • 顧客管理及び業務支援システム “アニクリ”の開発・導入
  • アニクリLive、アニクリWEBご祝儀決済の企画・商品開発
  • 管理系業務の電子化
  • 業績データ、カスタマーデータの活用による経営判断の合理化
  • デジタルを活用した新サービス、商品導入による顧客満足度の向上
  • 各種社内業務の効率化による経営コスト削減

第2期(2021年~2022年)

  • ウエディング・テックを用いた次世代ウエディング文化の創出
  • デジタルを活用したウエディング業界の働き方改革の推進
  • “Dimensional-link-Weddingサービス”のプロデュース、販売開始
  • フル・オンライン・パッケージの導入
  • クラウドPBX・インターネットFAXの導入
  • 社内教育のオンデマンド化
  • カタログをはじめとした接客ツールのクラウド化
  • “アニクリLive配信”、“アニクリWEBご祝儀”、“アニクリWEB出欠返信”など、従来の結婚式の枠に捉われない新たな結婚式文化の創造・実現
  • 接客スキームや社内教育のオンライン化による労働生産性向上
  • 現場業務のペーパーレス化実現による社会的責任の履行

第3期(2022年~2025年)

  • ウエディング・テックの深化による次世代ウエディング文化の定着・発展
  • ウエディング業界における最高水準の生産性モデルの確立
  • Dimensional-link-Wedding関連商材の追加機能開発、サービス拡充
  • “ふる婚”プロデュース、販売開始
  • 顧客問合せ対応チャットボットの導入
  • “アニクリ2.0”(仮)の開発
  • ゲストデータマーケティングの実施
  • BIツール導入
  • Dimensional-link-Weddingご利用者およびご参列者の増加に伴う婚礼市場の拡大
  • “ふる婚”によるウエディングフェアの顧客体験価値の向上
  • 接客対応速度、接客品質の均一化による顧客満足度向上
  • 自動化ツールの活用によるサービス業界の人材不足課題解消
  • “アニクリ”を通じた更なる現場オペレーションの効率化、カスタマーUX向上
  • 蓄積データ精度の向上、分析ツール導入によるデータドリブン経営の実現
<ブライダル事業においてDX戦略により目指すべき努力指標>
項目 努力指標
業務の効率化 年間5%の生産性向上
Dimensional-link-Weddingの利用実績向上 12%の実績向上
アニクリのゲスト登録によるデータ管理 全ゲストの内70%の登録

System

当社では、ウエディングビジネスの生産性向上においてDX推進を重要な戦略と位置付け、2022年より“アニクリ”をはじめとする業務システム開発・デジタルツール導入の主管部署としてシステム・ビジネスサポートグループを新設し、役員を含めたシステム投資に関する戦略会議を運営しております。

また、当社および関係会社の経営に関する重要な事項について報告を受け、協議を行い、決議をする機関である「経営会議(常勤取締役及び本部長で構成)」において、DX戦略のPDCAサイクルを回し、各組織を指揮しております。また、必要に応じて取締役会に報告し、その評価に従い、DX戦略を実行します。

人材の活用にあたっては、DX戦略を着実に推進するための人材、すなわち情報を分析し、課題を整理し、適切に活用できる人材を配置します。また、社内外のツールを用いてITリテラシー教育を実施する等、デジタルをビジネスに生かしうる人材の育成を進めます。

そしてこれらを全社に根付かせるため、DX戦略を全社のミーティングや通達により、従業員全員に周知いたします。

Message from Escrit

当社は創業以来、数多くの結婚式創りをお手伝いして参りました。結婚式はとても長い歴史の中で受け継がれてきた文化です。ここ数年は、トレンド等の多少の変化はあろうとも、結婚式のカタチに大きな変化はありませんでした。その中で、新型コロナウィルス感染症の流行や気候変動などにより、今、結婚式の大きな変化が求められています。

当社は「CHANGE Bridal」というミッションに基づき、3つの柱からなるDX戦略を構築し、戦略を効率的かつ効果的に進めるための体制を整えて参りました。具体的には、当社で独自に開発した“アニクリ“にてデータを一元管理することで、新たなサービスの提供(アニクリLive・アニクリWEBご祝儀等)、また業務の効率化(オペレーション工数の削減等)を図って参りました。

今後も、時代の変化に適応した結婚式創りを行うため、様々な変化に対応した組織・プロセス・企業風土の変革を行い、デジタルを活用することで「新しい結婚式のカタチ」を創造し、より多くのお客様からのニーズにお応えできるよう革新を進めて参ります。

株式会社エスクリ
実務執行統括責任者
代表取締役社長CEO 渋谷守浩